下痢になると、食べたものがそのまま出てきてしまって、ちゃんと栄養が吸収されているのか不安になってしまいます。

一時的な下痢であればそこまで気になりませんが、慢性的な下痢で毎日のようにお腹を壊していると体重が減ることもあります。

「このままいくと栄養失調になって倒れるのでは?」と心配になってしまいますが、実際に下痢で栄養失調になることはまずありません。

感染性胃腸炎で栄養失調になる?

細菌やウイルスに感染して、嘔吐や下痢などの症状が出てしまった場合、なるべく食べないほうが良いとされています。これは胃腸に負担をかけないためであり、治りを早くするために必要なことです。

また、胃腸炎の時は消化器系の働きが悪くなっていますので、栄養があるものを食べてもほとんど消化されません。つまり、胃腸炎の時に栄養があるものを食べても、栄養は吸収されにくくなっています。

栄養を摂取するにはどうする?

胃腸炎の時は絶食するので栄養不足が気になってしまいますが、人間の体は数日間栄養を摂取しなくても大丈夫なようになっています。ですから、嘔吐や下痢の症状が軽くなるまでは絶食でOKです。

しかし最近では、ある程度まで症状が回復してきたら、しっかり食べたほうが良いという考え方に変わってきています。

昔は完治するまで絶食し、とにかく水分だけを補給するのが当たり前だったのですが、食べないことで栄養失調になり、治りが遅くなるということが分かりました。下痢はエネルギーをたくさん消費しますので、栄養も急激に無くなってしまうのです。

胃腸炎で下痢になっても、嘔吐が収まっていて食欲があるなら食べても良いです。

下痢=栄養が吸収されないと思いがちですが、100%吸収されないということではありません。普段の健康な状態に比べれば吸収率は落ちますが、食べれば多少は吸収されます。

ただ、小腸が炎症を起こしていると吸収しにくいので、最初はおかゆなどの消化しやすいものから徐々に食べていくのが良いでしょう。いきなりドカ食いすると胃腸を刺激してしまい、下痢や嘔吐をぶり返してしまいます。

過敏性腸症候群で栄養不足に?

過敏性腸症候群は、慢性的な下痢の中でも最も多い病気です。毎日決まった時間や決まったタイミングでお腹が痛くなり、下痢になるため、栄養がそのまま流れているのではないかと心配になってしまいます。

過敏性腸症候群は、大腸のぜん動運動が活発になって下痢になる病気です。大腸は水分や電解質(イオン)の吸収を行い、便を固くするところですので、栄養の吸収とはあまり関係ありません。そのため、過敏性腸症候群で下痢をしても、栄養は問題なく吸収されると思われていました。

しかし、最近の研究で、過敏性腸症候群は大腸だけでなく小腸にも影響があることが分かっています。

小腸は主に栄養を吸収する場所です。つまり、過敏性腸症候群の人は、そうでない人に比べて栄養の吸収率が下がるということです。

先生_2

現在では過敏性”腸”症候群と呼ばれていますが、昔は大腸の病気だと思われていたため、過敏性大腸炎や、過敏性大腸症候群などと呼ばれていました。

では、「過敏性腸症候群の人は気をつけないと栄養失調になるのか?」というと、その可能性はほぼありません。いくら小腸に影響があるとはいえ、栄養の吸収が全くできないほどまでになることはなく、便ができている以上、栄養はしっかり吸収されています。

過敏性腸症候群で体重が減るという人がいますが、これは小腸の機能が低下しているからではなく、別の原因が考えられます。

疑うものとしては、別の病気や精神的なストレスによる体重低下、無意識な食事制限などです。

では、下痢を放っておいても良いのか?

下痢になっても栄養はちゃんと吸収できているのですが、だからといって放っておいて良いものではありません。

下痢が続いていたり、ストレスですぐに下痢をしてしまう、昔から下痢症だという人は、腸内環境が乱れていて、悪玉菌が増えています。悪玉菌が増えると、栄養が吸収されにくくなるので、下痢を放っておくと栄養不足になる可能性は否定できません。

悪玉菌が増えるということは、善玉菌が減っている状態です。善玉菌は、食べたものから栄養を取り出し、吸収しやすい大きさまで分解してくれる働きを持っています。

善玉菌が減ると、栄養が吸収されにくくなり、消化もしにくくなるので、腸にも大きな負担をかけます。するとさらに下痢になりやすくなり、悪玉菌が増えるという悪循環に陥ります。

腸内環境を整えて善玉菌を増やせば下痢になりにくくなりますし、下痢になりにくくなることで消化と吸収がしやすくなり、栄養不足の心配もなくなるのです。

慢性的な下痢に悩まされているのであれば、下痢の原因となっている環境の改善(仕事や学校のストレスなど)と共に、腸内環境を改善することが最優先です。下痢を放っておいても良いことは何一つもありませんから、今すぐに対処していきましょう。

善玉菌を増やして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。

乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、乳酸菌を始めてみましょう。

乳酸菌は毎日続けないと意味がありません。ヨーグルトを買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。