急に来る激しい便意。電車の中や大事な会議の途中、試験の最中に来る下痢はまさに地獄の苦しみです。

必死に我慢しようとしてもなかなかできず、脂汗を出しながらすぐにトイレに駆け込む。普通の便の時は我慢できるのに、なぜ、下痢の時は我慢ができないのでしょうか?

悪いものを出そうとする体の防御反応

下痢は、体の中に入った悪いものを出そうとする体の防御反応です。

腐ったものを食べたり、体に合わないものを食べた、ウイルスが腸内に入ってきたりなど、体に刺激を与えるものが入った時に便にたくさんの水分を与えて素早く排泄します。

この「素早く排泄する」というのが我慢できない下痢の正体です。

普段、腸は便から水分を吸収するために、ゆっくり動いています。しかし、体に害のある物質が入ると、腸の動き(蠕動運動)が激しくなります。

私たちは、自分の意思で蠕動運動をコントロールすることができません。自分の意思とは関係なく腸が動き続けるので、腹痛は酷くなり、下痢が漏れそうになるのです。

肛門括約筋も緩んでしまう

便意に対して何かできるとすれば、漏らさないために肛門括約筋にギュッと力を入れることくらいです。

ですが、この肛門括約筋にも2種類あり、私達がコントロールできるのは外肛門括約筋だけです。

内側の肛門括約筋は自律神経によって動かされるため、ひどい下痢になると、「便を出して」と勝手に命令が下り、肛門括約筋も緩んでしまうのです。

また、我慢すればするほど便意が強くなっていくのは、腸の中に原因菌が留まり続けているからです。

腸が「何やってるんだ、早く出せ」とどんどん水分を多くし、蠕動運動を激しくするため、時間が経てば経つほど症状が酷くなります。

普段の便は固形なので、肛門括約筋にも力が入れやすいですし、腸の動きもさほど強くありません。ですから、普段の便はある程度我慢ができるのです。

下痢を出すまで治らない

下痢の原因物質がはっきりしている場合、下痢を出すまでは便意が収まることはありません。

腸の蠕動運動を抑えるタイプの下痢止めを使えば止まりますが、体内に菌は留まり続けているので、時間が経てばまた下痢になります。

悪いものがないのに下痢になる過敏性腸症候群

冒頭で、下痢は、体の中に入った悪いものを出そうとする体の防御反応です。と書きましたが、過敏性腸症候群の場合はどうでしょうか。

過敏性腸症候群は、ウイルスや細菌などの、原因物質が無いのに下痢をします。つまり、体が悪いものを出そうとしていないのに下痢になってしまうのです。

なぜそのようなことが起こるかというと、ストレスによって自律神経が乱れ、腸の蠕動運動が早くなったり遅くなったりするためです。

腸の蠕動運動を司る自律神経は、ストレスの影響を強く受けます。

「電車の中で下痢になったらどうしよう」「今日の発表嫌だなぁ」「今日も上司と会うのか・・・」などといった不安や緊張で、自律神経が乱れて、腸の動きが活発になってしまうのです。

この場合も同じように肛門括約筋も緩みますので、我慢するのは難しいでしょう。

しかし、頑張って苦痛に耐えて我慢していると、急に「あれ?治った?」と思う時がありませんか?いわゆる腹痛の波です。腹痛の波はまさに蠕動運動が激しくなっている証拠です。

過敏性腸症候群の下痢症状を抑えるには、腸の蠕動運動を抑える下痢止めを使ったり、トイレに行って便を出す必要があります。

ただし、下痢止めは使えば使うほど癖になり、効き目も悪くなっていくので多用は厳禁です。また、日常的な下痢を放っておくと肛門括約筋も衰えてくるため、便失禁の可能性も高くなります。

慢性的なストレス性の下痢に悩まされている場合、腸内環境の乱れも大きな要因のひとつとなっていますので、下痢止めを多用したり、症状を放っておくのではなく、しっかりと治すようにしましょう。

善玉菌を増やして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。

乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、乳酸菌を始めてみましょう。

乳酸菌は毎日続けないと意味がありません。ヨーグルトを買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。