下痢には様々な原因があります。食べ過ぎたりお腹が冷えてしまったり、腐ったものを食べてしまったり・・・。

どれも同じ「下痢」という症状が現れますが、その仕組みは全く違います。

共通しているのは、便の中の水分量が多くなっているということ。便の水分が多くなる原因は、大きく4つに分けることができます。

下痢のメカニズムは大きく4つに分けられる

滲出性下痢

滲出性下痢は、その名の通り、腸の粘膜から液体が滲出する(にじみ出る)ことで起こる下痢のことです。

腸の炎症が原因で起こり、滲出液によって便の水分量が増えます。また、炎症によって腸の水分吸収能力も低下するので、便の水分量は増え続けることになります。

滲出液はタンパク質や血液などが主なものです。そのため、血便粘血便などの症状もみられますし、慢性疾患である潰瘍性大腸炎などでは、膿が混じることもあります。

主な原因

急性の場合、感染性腸炎(サルモネラ、カンピロバクター、ノロウイウルス、ロタウイルス、病原性大腸菌)や、虚血性腸炎などが考えられます。

慢性の場合、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸結核などの病気が考えられます。

分泌性下痢

腸内の分泌物が増えることで下痢になるのが、分泌性下痢です。腸は栄養や水分を吸収するのが主な働きですが、実は分泌物も出しています。

細菌やウイルス、薬などの刺激によって分泌物の量が増え、便の水分量が多くなり、下痢になります。

これは身体の防衛反応で、原因となる毒素やウイルスをはやく外に出すため、水っぽい下痢がたくさん出ます。下痢を止めてはいけないと言われるのはこのためです。

滲出性下痢と似ているように感じるかもしれませんが、滲出性下痢は、血液などの普段は分泌されないものが炎症によって出てしまっている状態です。

一方、分泌性下痢は、普段から分泌されているものの量が増えてしまったという状態です。そのため、血便などの症状はほとんど出ませんが、大量の水分を含んだ水下痢が主な症状です。

食中毒や風邪で水下痢が止まらなくなるのはまさに分泌性下痢の特徴です。下痢といっても、透明の液体だけが大量に出たり、ブヨブヨした脂肪のような便、ネバネバした粘液便が出たりします。

主な原因

食中毒(黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、コレラ、赤痢菌)、薬の影響によるものなどが考えられます。

浸透圧性下痢

浸透圧性下痢は、腸内の浸透圧が上がることで、腸管内の水分が多くなる下痢です。簡単に言えば、腸内に入った食べ物などが、水分をたくさん引きつけてしまうため、下痢になるのです。

浸透圧が高くなる原因は、食べ物や薬剤です。乳糖不耐症の人が牛乳を飲んだり、腸内に吸収されにくいマグネシウムなどを摂取すると下痢をしますが、これは浸透圧が上昇したためです。

乳糖不耐症の人が飲む牛乳や、大量のアルコールは、消化酵素が不足するため、完全に消化することができません。すると、消化されなかったアルコールや乳糖が腸管内に留まり続け、どんどん水分を引き寄せるので、下痢になります。

浸透圧性の下痢を防ぐには、原因となるものの摂取を消化できる範囲内で抑えておくのが有効です。アルコールの過剰摂取などは控えるようにしましょう。

主な原因

特定の薬剤や食べ物の摂取で起こります。ガムの食べ過ぎ(キシリトールの過剰摂取)や乳糖不耐症の人が飲む牛乳やヨーグルト、果糖の過剰摂取(リンゴジュースなど)、食事によるものが大半です。

腸管の運動異常による下痢

腸の動きが亢進(活発化)したり、抑制されることで起こる下痢です。

腸管運動が亢進した場合の下痢

腸の動きが活発になりすぎると、便の移動時間がとても早くなります。健康な人の場合、栄養や水分を吸収するために、便は24時間~72時間は腸内に留まり、ゆっくりと固形化します。

しかし、腸の動きが亢進することで、水分を吸収する間もなく便が排出されてしまうため、下痢になってしまうのです。

過敏性腸症候群(IBS)甲状腺の機能亢進大腸がんなどで腸の切除手術を受けた場合などがこれに当たります。

腸管運動が抑制(低下)した場合の下痢

腸の動きが低下すると便秘になりそうなものですが、下痢になる場合もあります。

腸管の動きが低下すると、今度は便がなかなか動かなくなります。すると、腸内の悪玉菌(腸内細菌)が異常繁殖し、腸の水分吸収能力が低下、便の水分量が減らず、下痢になります。

糖尿病甲状腺の機能低下によって起こる下痢は、これに当たります。

善玉菌を増やして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。

乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、乳酸菌を始めてみましょう。

乳酸菌は毎日続けないと意味がありません。ヨーグルトを買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。