下痢の時に助かる下痢止めですが、実は一口に「下痢止め」と言っても、それぞれ効果が異なります。

最近はコンビニなどでも下痢止めが販売されるようになりましたが、症状に適したものを選ばないと、全く効き目が無かったり、副作用ばかりが目立ってしまい、飲んで後悔するということもあります。

下痢止めの種類と効果

腸管運動を抑制するタイプ

下痢止めの中でも比較的処方されやすいタイプです。過剰になった腸の動きを抑制し、便が運ばれるスピードを遅くすることで下痢を止めます。

ストレスによる下痢や、不安による下痢に特に有効で、過敏性腸症候群の下痢に唯一有効となる下痢止めです。

また、冷えによっても腸管の運動が高まる傾向があるので、お腹が冷えやすい人にも有効です。

水なしで飲めて即効性があるので、入学試験の緊張による下痢が心配な人や、電車の中で下痢になるのが心配な人など、やはり過敏性腸症候群の人に向いています。ただし、効果がとても強力なので、常用するのは危険です。

殺菌するタイプ

殺菌するタイプの下痢止めは、食中毒などによる下痢に有効です。大腸菌黄色ブドウ球菌を殺菌し、腸内環境が悪化するのを防ぎます。

即効性はあまりなく、下痢を止めるのも時間がかかります。腹痛や下痢の原因となっている細菌を殺すまでは下痢は続きますので、飲んですぐに下痢に対して効果が出るものではありません。

収れん作用タイプ

収れん作用とは、キュッと縮めることです。腸の粘膜に皮膜を作り、腸を保護します。さらに、収れん作用で腸を縮めることで腸の動きを緩やかにします。

粘膜を保護してくれるため、食あたりなどの下痢に有効です。また、収れん作用で腸の動きを抑えるため、過敏性腸症候群などの、ストレス性の下痢にも有効です。

下痢を止めるという点だけで見ると、腸管運動を抑制するタイプの次に即効性があり、効き目も強いです。

吸着タイプ

腸管内にある下痢の原因菌や原因物質を吸着するタイプです。

カオリンという成分が入っていますが、日本ではそこまでメジャーなものではありません。海外では頻繁に使われています。

食中毒やウイルス性の下痢など、下痢の原因物質がはっきりしている場合に有効です。

下痢止めの正しい使い方

このように、下痢止めには色々な種類があり、適した使い方があります。例えば、正露丸は殺菌力が強いタイプの下痢止めなので、海外で食あたりを起こした時などに有効です。

それなのにも関わらず、「下痢止めだから適当に飲んどけ」と、ストレス性の下痢の時に正露丸を飲んでも無意味です。それどころか、腸内の善玉菌(乳酸菌)を殺してしまうため、余計に下痢が悪化します。

また、腸の動きを止めるタイプの下痢止めは即効性に優れているため、常備している人も多いと思いますが、使い過ぎるとどんどん癖になり、やめられなくなることもあります。

下痢止めは、あくまでも1日~2日程度の使用に留めておき、少しずつ量を減らしていくのが正しい使い方です。

下痢止めはどういう時に飲むもの?

そもそも、下痢止めはどういう時に飲むものかというと、ウイルス性や細菌性の下痢ではなく、どうしても外せない用事がある時や、日常生活に支障をきたす時です。

つまり、基本的には「飲まない」のが正解です。過敏性腸症候群などの、腸の働きが活発になってしまうような下痢の時だけは仕方なく下痢止めを服用しても良いのですが、それ以外の時はなるべく飲まないようにしましょう。

細菌性の下痢やウイルス性の下痢の時に腸の蠕動運動を止めてしまうと、下痢の原因物質が腸に留まることになり、ものすごい勢いで繁殖していきます。

楽になるのは下痢を止めたその時だけで、腸内の環境はどんどん悪化していき、最悪の場合は死に至ることもあります。下痢は悪いものを排出する防衛本能なので、原因となるウイルスや細菌がある場合は、下痢止めは飲んではいけません。

下痢止めの副作用

下痢止めも薬ですので、副作用があります。お薬によって細かい違いがありますので、ここでは比較的メジャーな副作用を紹介します。

便秘

腸の蠕動運動を抑えるタイプの下痢止めを使うと便秘になることがあります。このタイプの下痢止めは非常に即効性があり、とてもよく効くのですが、効きすぎて便秘になります。

この場合、薬の服用をやめ、水分をしっかり摂取すれば便は元の状態に戻ります。

腸内環境が乱れる

殺菌性のある下痢止めを服用すれば、少なからず善玉菌も一緒に死滅してしまいます。1日程度ではあまり影響はありませんが、常用したり、多用すると腸内環境が乱れ、慢性的な下痢に悩まされる可能性があります。

常用性

過敏性腸症候群の人に多いのが、下痢止めの常用です。電車やバスで通勤する前に不安だから絶対に飲むようにしているという人がいますが、これでは根本的な解決になりません。

下痢止めを使い続けると、少しずつ効果が薄くなっていきます。2錠飲まないと効かなくなったり、飲んでも軟便になったりします。さらに使い続けることで全く効果が出なくなることもあります。

また、常用することでさらに副作用が増えます。動悸喉の渇き不安感などの副作用が次第に現れますが、これも下痢止めの副作用です。

腸の運動を制御しているのは自律神経です。下痢止めは自律神経に作用するので、常に下痢止めを飲み続けると、自律神経が乱れ、下痢はさらに酷くなり、新たな症状が現れるようになります。

下痢止めでは根本的な解決にはならない

誤解している人が多いのですが、下痢止めとは、「腸の働きを正常なものに戻してくれる」ものではなく、「過剰な働きを止める」ものです。つまり、飲めば腸が正しく働くかというと、そうではありません。

慢性的な下痢を治したいというのであれば、下痢止めを使うのではなく、整腸剤ヨーグルトサプリメントなどから乳酸菌を摂取したり、下痢の原因となっているストレスなどの要因を排除し、腸内環境を整えるのが必要不可欠です。

下痢止めは最終手段です。どうしても外せない日や、どうしても下痢を防ぎたい日に仕方なく飲むものだということを忘れないで下さい。

善玉菌を増やして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。

乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、乳酸菌を始めてみましょう。

乳酸菌は毎日続けないと意味がありません。ヨーグルトを買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。