ストレスによる下痢は一時的なものと、ダラダラ続くタイプのものがあります。「緊張で下痢」は一時的なタイプで、「毎日の通勤途中に下痢をする」はダラダラ続く慢性的なタイプです。

一時的なものの場合は放置しても問題ありませんが、慢性下痢になると生活に支障をきたすようになります。毎日のように下痢をするため、電車の急行に乗れなくなったり、トイレのせいで遅刻が増えたりします。人付き合いにも支障が出ます。

慢性下痢のほとんど(7割近く)は過敏性腸症候群だと言われています。過敏性腸症候群とは、下痢や便秘などの症状が繰り返し起こる病気です。

ストレスで下痢が起こる仕組み

腸の動きを司っているのが自律神経です。腸は私達の意思とは関係なく、便を運んだり、栄養を吸収したりしていますが、これは自律神経が命令を出し、腸を動かしているからです。

ストレスは自律神経の働きを乱します。本来であれば交感神経が働くべきところで副交感神経が働いたり、逆に副交感神経が働くべきところで交感神経が働いたりします。

自律神経が乱れると起こる代表的な病気が過敏性腸症候群です。腸をコントロールしている自律神経がおかしくなると、同時に腸の働きもおかしくなり、腸の動きが遅くなったり早くなったりして、便秘や下痢などの症状を引き起こします。

人間の身体は、活動中には便意が来ないような作りになっています。これは昔の名残で、狩りの最中に便意が来ると隙ができ、逆に獲物に殺されてしまうからだそうです。

現代の人間の身体も同じで、自律神経は活動中に交感神経優位になり、リラックス状態で副交感神経が優位になります。しかし、ストレスで自律神経が乱れると、活動中にも関わらず、副交感神経が優位になって腸が激しく動き、下痢や腹痛が起こります。

ストレスだと下痢や軟便になる

活動中に副交感神経優位になるということは、普通の便になるのでは?と思うかもしれません。しかし実際には下痢や軟便で出てくることがほとんどです。

これは、腸の動きが必要以上に早くなるからです。自律神経が乱れると、腸の動きそのものがおかしくなり、仕事中でも通勤中でも、関係なく腸が動き続けます。

すると、普段なら数十時間かけて動くはずの便が数時間のうちに肛門まで到達し、水分が腸に吸収されないまま排出されるため、下痢や軟便として出るのです。

腸は脳よりもストレスに敏感

ストレス性の下痢が慢性化すると、自分ではストレスとは思っていないことでも下痢になったり、少しの刺激で下痢になったりします。

これは腸の方が脳よりもストレスに敏感だからです。腸は第二の脳と呼ばれていて、私達の意識とは別にストレスを感じることがあります。また、脳と腸は密接に関わっています。

脳がストレスを感じると腸に影響が出るのはご存知かと思いますが、逆に腸の調子が悪いと脳にも影響が出ます。便秘や下痢になると、気分が落ち込んだり、鬱の原因になります。それだけでなく、引きこもりや暗い性格が、腸によって作られているとの研究結果も出ています。

このような脳と腸の関係を脳腸相関といいます。腸内環境を改善したら性格が変わった人もいるようで、その影響は意外にも大きいのかもしれないと注目されています。

腸内環境を改善すればストレスに強くなる

幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は、95%が腸内で作られています。このことから、腸内環境が悪化しているとセロトニンがうまく作られず、ストレスに弱くなったり、性格が暗くなったり、鬱になったりすると考えられています。

ストレスのせいで腸内環境が悪化するのはもちろんですが、腸内環境が悪化することでストレスが増えることもあるということです。

腸の不調は脳に影響を与え、脳の不調は腸に影響を与えます。どちらかが悪化すればもう一方も悪化するため、悪循環に陥りやすく、なかなか治りにくいのが過敏性腸症候群です。

ストレスによる下痢を改善するには

慢性下痢を治すには、ストレスをなくすことと腸内環境を改善することが必要不可欠です。

ストレスの原因は人それぞれ違いますが、間違いなく言えるのは「下痢そのものもストレスになっている」ということです。

「明日のデートの途中でお腹が痛くなったらどうしよう」「明日は知らない場所に行くから、トイレの位置は把握しておこう」というように、何をするにもトイレのことを考えるのは悪循環に陥っている証拠です。

トイレのことを考えすぎてそれがストレスになり、下痢になってしまうのは、過敏性腸症候群の人に多い症状です。この場合は腸を強くしてストレスに耐性を付けるのが近道ですので、腸内環境の改善を最優先しましょう。

あまりにもストレスが酷かったり、まともに生活できないほどストレスが強い場合は心療内科へ行くことも視野に入れましょう。ストレス性の下痢(過敏性腸症候群)は病院で検査をしても異常が出ませんので、薬で治したりすることは難しいのです。

腸内環境を改善するには乳酸菌で善玉菌を増やしたり、生活リズムを改善したり、ストレスの発散をするのが効果的です。

善玉菌を増やして下痢を改善する

慢性的な下痢の主な原因は、ストレスや生活習慣の乱れによって起きた腸内バランスの悪化です。下痢を改善するには、腸内環境の改善が欠かせません。

乳酸菌は善玉菌のエサになり、悪玉菌を抑制します。普段からストレスを感じていたり、通勤や通学途中でゴロゴロ、トイレを探すのが日課になっているという人は、乳酸菌を始めてみましょう。

乳酸菌は毎日続けないと意味がありません。ヨーグルトを買ってもすぐに食べ忘れてしまったり、買い忘れてしまう人はサプリメントがおすすめです。